第二号

「経営をサポートする企業ネットワークとは?」
〜機能する「企業ネットワーク」の構築・運営・改善の具体策〜

IIJ Americaは2006年4月24日、ニューヨークにて、IIJ America創立10周年記念セミナーを開催いたしました。今回で第三回目となるニューヨークでの無料公開セミナーは、IIJ取締役副社長、浅羽登志也をセミナー講師として迎えました。 当日の天気は雨も上がり晴れ、同セミナーは10分遅れの開始となりましたが、参加者62名、参加企業50社と多数のお客様にご参加賜りました。ご希望の方にはセミナーの翌日、4月25日にNYデータセンター見学も実施しました。その後、4月26日にはシカゴ(JCCC主催)、4月28日にはロサンジェルス(JBA主催)にても同セミナーを開催しました。

ご挨拶
〜経営をサポートする企業ネットワークとは?〜
百田功/IIJ America 社長兼CEO

第一部
〜インターネットの課題と今後〜
浅羽登志也/(株)IIJ(インターネットイニシアティブ)取締役副社長

第二部
〜経営をサポートする企業ネットワークの選び方と活用〜
西岡耕平/IIJ America, Sales & Marketing, Senior Manager (NY & Chicago)
菅原文人/IIJ America, Network Operation & Solution, Vice President (LA)

ご挨拶 〜経営をサポートする企業ネットワークとは?〜

百田社長挨拶 百田社長挨拶

百田社長からはIIJ America 設立10周年のお知らせをした後、米国における具体的な活動内容を紹介。そして、インターネットの成長率をDog Yearと表し、インターネットと電話、ラジオ、テレビ等の他の媒体との成長スピードの違いをコンピュータ通信、分散型モデル、On-Demandといった観点から説明。また、既存企業とNASDAQ企業群との違いを成長性とリスク・ガバナンスといった観点で比較しつつ、インターネットというインフラを活用したビジネス及びそのスピードがこれからも様々な産業分野で継続的に影響を与えていくのではといった背景を説明。

日米で自社網を運用した経験から、生活習慣だけでなく日米の通信インフラ面での違いを指摘。特に最近の日系企業の活動はこれまでの東、西海岸のHQ主導型から事業投資会社を活用した中西部等分散型に拡大しており、ロジスティック・ファイナンスと共に地方でのネットワーク調達といった新たな課題も出てきている。

NYセミナーの様子 NYセミナーの様子

安全面でいえば、スパム等の外部からのリスク対応だけでなく、今後はSOX、JSOXに応じ内部リスク、ガバナンスの管理も求められるようになる。日米で上場しているIIJグループとしての経験から、取引先のデータ管理、データセンターの安全確保といったことも今後は取引上考慮が必要になってくる状況を説明。企業にとっての通信経費は従来経費項目として捉えられてきたが、米国企業に見られるように事業戦略、安全面での投資、コスト増も経営的には検討が必要では、といった提言を行った。

最後に親会社IIJがJD Powers社による日本国内での顧客満足度調査で1位にランクされているといったIIJ社のIR資料を紹介した。

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第一部 〜インターネットの発展と課題〜

第一部 浅羽取締役副社長 第一部 浅羽取締役副社長

今回のゲストスピーカーでもある(株)IIJ(インターネットイニシアティブ)取締役副社長の浅羽登志也の講義では百田と同様にインターネットの急速な普及率の説明から開始された。

インターネットの普及は電話インフラに負うものが大きく、世帯普及率の早さは一概に単純な比較はできない。電話普及に70年以上を有したのも、電話線敷設に膨大な時間を費やしているためである。しかし2000年を境に電話とデータのトラフィック量が逆転し、これにより、76年かけて築いた電話ネットワーク網をデータが食い尽くしつつあるといわれている。ここ一年あたりではデータトラフィック量は倍増しておりISPバックボーンで利用される回線種別も2006年中には40Gbps の利用が開始されようとしているが、このペースではすぐに飽和状態になってしまうと予測する。 同時に、東京、関東圏では回線キャパに加え、電力供給も大きな問題になってきており、東京ではデータセンターの脱大手町化が進んでいる。

シカゴセミナーの様子 シカゴセミナーの様子

インターネットの次世代としてユビキタスネットワーク社会を紹介。これの実現には、あらゆるものをインターネットに接続する必要があり、そのためにはIPアドレス枯渇の課題を乗り越えなければならない。IPv4での問題解決短期解が予想以上の成功を収めたため、IPv6の長期解につながることになるのではないかと予測。

ユビキタスネットワーク社会への移行とともに、インターネット利用の安全性についても真剣な対策協議が必要であると提言。迷惑メールも北米から波及し全世界的な問題となり、2004年7月を境にビジネスモデルが確率されたかにみえるPhishingメールの報告件数も約10倍増えた。最後にはセキュリティに関して日本IIJでの具体的に取り組んでいる事例を紹介して締めくくった。

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第二部 〜経営をサポートする企業ネットワークの選び方と活用〜

第二部 西岡Senior Manager (NY) 第二部 西岡Senior Manager (NY)

第二部では、Senior Manager 西岡が経営をサポートする企業ネットワークを考える際に必要な要素を「ネットワークの種類の選択」、「『守り』の選択」、「『攻め』の選択」の三つに分け解説をした。

「ネットワークの種類の選択」では、北米日系企業の事業所拠点が東西海岸及び北部から南部への移動している点に着目、そうした地方においてネットワーク回線の調達の状況が東西海岸や北部の都市部とは異なっている点を強調。これには北米の通信キャリアの歴史的背景が関わっており、いったん解体された旧Bell系列が近年の規制緩和と競争激化を理由に再度寡占化し、これが回線調達費用の増加につながりかねない可能性があることについて示唆。その後北米で一般的なネットワーク接続技術の選択肢とその歴史的移り変わりを説明し、多拠点を結ぶ手法として主流であるフレームリレー方式が次第に、IPsecVPN、IP-VPN、広域イーサネット等の新しい技術方式にとって変わられつつあると指摘した。

第二部 菅原Vice President (LA) 第二部 菅原Vice President (LA)

「『守り』の選択」ではセキュリティ対策への費用の増大傾向とその理由、またIT部門としての法的対応義務の必要性について述べた。企業がセキュリティ関連に費やす予算は年率で20%のびており、またセキュリティに関する問題は外部だけではなく内部に起因するものも多く含まれている点について指摘。法的対応義務については日本版SOX法の施行が近づいてくることから、それをもとに日本親会社から特にIT部門に対して厳しい対応要求が出てくる可能性があるとともに、米国版、日本版SOXの違いについての解説を行った。

「『攻め』の選択」パートでは企業競争力確保のためのIT投資配分について問題提起を行った。コスト削減を狙うのみでは不十分であり、一方で投資を行った技術に対する検証、ROI回収をしっかりと行うこと、結果として全体的な費用対効果を高めることが重要であることを指摘した。

■ 導入事例

これら三つのパートを受け、弊社お客様のケーススタディをもとに具体的な活用事例を二例紹介した。

LAセミナーの様子 LAセミナーの様子

L2広域イーサネット導入事例
90年代後半よりフレームリレーをご利用のお客様より、ネットワークが遅い、ネットワーク構成が複雑、コストパフォーマンスが悪い、IP電やテレビ電話など最新アプリケーションの導入が難しいなどの課題を挙げていただいた。ネットワークの帯域の増加、コストパフォーマンスの向上を課題とし、IIJAからは広域イーサネット(L2)、マネージドファイアウォール、データセンターコロケーション、10Mbpsイーサネット接続を組み合わせた総合ソリューションをお客様にご提案。導入の結果、帯域の増加、費用対効果の向上、ネットワーク構成単純化、閉域網によるセキュリティ確保といった多くの改善がみられた。

セキュリティ診断サービス
IIJAでは従来よりネットワークセキュリティ診断レポートを提供してきたが、あるお客様からはその診断レポートを読む時間がない、もしくは理解の知識ノウハウが足りないといったご相談を受けた。IIJAではトータルなサイクルでのセキュリティ管理サービスを提供。このサービスにおいては診断スキャンから始まり、スキャン結果をもとに技術アドバイスも含め、お客様とIIJAエンジニアにて毎月3時間ー4時間のミーティングを設けた。

PC管理ツールによる修正プログラムの一斉適用を行った後にもう一度確認のスキャンをかけ、対策の適用を確認した。お客様に要約レポート、詳細診断レポートを提出。こうしたセキュリティ管理サイクルの毎月の運用により、緊急とされるセキュリティ問題に早期に対策をとることができただけではなく、PC管理ツールによる各PCへのパッチ適用も確実なものとなった。また、これらの一連の履歴、レポートはIT監査を受けた際にも提出できる形式となっており、そちらの方面でもお客様に恩恵をもたらす結果となった。

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NY&Chicagoスピーカー

NY&Chicagoスピーカー
右から、小川(司会)、百田、浅羽、西岡

IIJ America データセンター見学ツアー

NYセミナーの翌日、データセンターにご関心のあるセミナー参加者の方に、IIJ Americaデータセンター見学ツアーを行ないました。
当日は、「IIJ America Managed Solutions」と題した以下のテーマのプレゼンテーションとともに、データセンター内の見学を実施しました。

  • Data Center - Colocation Service -
  • WAN Solution - L2/L2TPv3/IPsec VPN Service -
  • Management and Operation - Server Process Monitoring Service -

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プレゼンテーションの様子

プレゼンテーションの様子

データセンター見学の様子

データセンター見学の様子

IIJ Americaデータセンターでは、コロケーションに加え、自社で運用するバックボーンに直結できるメリットを活かした「WAN ソリューション」、メンテナンスフリーかつ、高セキュリティの「モニタリングサービス」などの「マネージドサービス」を豊富な経験をもって提供している。参加者からは、その他のデータセンターの所在や設備について、また今後のキャリア動向など、多数の質問が飛び交った。

IIJ Americaでは、お客様からのリクエストに応じて不定期にデータセンターツアーを実施中。詳細についてのお問い合わせは、1-888-GO-IIJ-US、またはsales@iij-america.com