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IIJ ソリューション本部 副本部長 山井美和
二〇一X年、ある夏の朝、物流企業のICT(=Information and Communication Technology)マネージャを務める出田仙太は、自宅で子どもたちと朝食をとりながら、今日も平年を上回る常夏の気温になるというテレビの天気予報を見て、五年前の夏の日を思い出していた。 その日は、地球温暖化の影響なのか、いつになく暑く、観測史上最高気温を記録していた。 その後、室外機の周りに打ち水をするなどデータセンター運営会社の懸命の努力によって、周辺の温度を下げることに成功。空調機も通常の性能に回復したので、サーバを再起動し、システムを復旧させた。 ところがその直後、今度は大規模な停電が発生した。 仙太は、現在、在宅勤務である。重要な社会インフラの一端を担う物流産業は、昼夜、陸海空全ての手段を使って、人や物を運び続けている。そのため、二四時間止まらないシステムは不可欠な存在であった。 物流企業では、物流システム自体が企業間競争における重要な武器であるため、その企業のICTマネージャは、運営上ひじょうに重要な役割を占める。
それは、二四時間労働であると言っても過言ではないのだが、そのために家族を犠牲にしたくない。 それを機に仙太は、在宅勤務制度を活用し、本社のある東京から新幹線で二時間ほどの郷里に転居し、毎朝子どもたちを学校に送り出してから仕事を始めるライフスタイルに切り替えた。 仙太はかねてから、物流企業の果たすべき役割は、二四時間、物流を止めないことであり、そこに経営資源を集中するためには、企業のICT部門が戦略的なシステムを企画・設計するいっぽうで、システム開発やインフラ整備は専門家に任せるべきであるという自論を持っていた。 そして彼は、この考えを実行に移し、自分の企業を世界有数のICT技術を活用できる先進的な物流企業へと変革させたのであった。 データセンターに求められること こんな話は、空言のように聞こえるかもしれません。 最初、電算センターに置かれた大型汎用コンピュータが、クライアントサーバ技術の発展とともに、小型サーバに置き換わり、センターのスペースに余裕が出てきました。 もともと「ハウジングサービス」という言葉は、金融機関などが、通信回線の専用線化を進めながら、通信会社の設備のとなりに自分の会社の多重化装置や内線交換機を置き、その保守を外部に委託するようにしたところからきています。 データが集まるところだから「データセンター」という名前になったのかは定かではありませんが、いつの頃からか、ハウジングサービスやコロケーションサービス、さらにはマネジメントサービスを提供する場所を総称して〝データセンター〟と呼ぶようになったのです。 ところで、データセンターが利用者に提供するもの――それは、二四時間三六五日止まらない「電気と空調」です。 例えば水道などは、一見無関係なように思われますが、動力源として電力を使っているため、間接的に二酸化炭素を排出しています。結局、電気を使うものは全て、大なり小なり二酸化炭素の排出に関連しているのです。 また、データセンターから排出される熱で地球温暖化が進むわけではありませんが、熱を冷やすための空調用の電力が、全体としての電力消費量を押し上げているのも事実です。 しかしいっぽうで、データセンターは、その集約効果によって、供給される電力をもっとも効率よく使っている場所とも言えます。 次回はエネルギー循環を実現するソリューション工場と、次世代のデータセンターをお届けいたします。 |
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